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 100T > [10:猿蟹合戦]2006/01/08(日)
 昔々、1匹のカニと1匹のサルが連れ立って散歩をしておりました。
 しばらくすると、サルが柿の種を見つけて拾いました。それから、またしばらくすると、今度はカニがおにぎりを見つけて拾いました。
 そこで、サルはカニに言いました。
「カニさん、柿の種とそのおにぎり、交換してはくれないものかねえ?」
「ムリだね。九割五分三厘ムリだね」
 95.3%と言わないのは、昔話だからです。笑うとこじゃないよ。え、笑ってない? ああそう?
「でもさ、カニさん、おにぎりは食べてしまえばそれでなくなっちゃうだろう? だけども、柿の種は、地面に植えればわんさか柿がなるじゃないか」
 食い下がるサル。
「うーん、そんなもんかなあ、じゃあいいよ」
 サルの思惑通りにことが進み、二匹は柿の種とおにぎりを交換しました。

 カニは柿の種を家まで持って帰り、いそいそと裏の畑に埋めると言いました。
「早く芽を出せ、でないとハサミでちょん切るぞ」
 すると、種を埋めた所からなにやら声が。
『厳密にいうと、カニのはさみで物を切ることはできない。といって、ハサミで切られるより、洗濯バサミで耳をはさまれるほうが痛い場合もある。うむぅ、仕方あるまい、条件をのんでやろう』
 なかなか論理的に話を進める柿の種のようです。種はあっという間に目を出し、大きくなり、わんさわんさと枝を揺らすと、次の瞬間には柿の実がたくさんなっていました。
 カニは大喜びで柿を食べようとするのですが、やがてハタと膝を打ちました。
「届かないやんけ!」
 そうです。カニにとって、柿の幹を登ることは難しいことなのです。
「やあやあ、どうしたんだいカニ!」
 サルです、サルがやってきました。そして、そうだ、僕が取ってやるよ、と一声叫んで、するすると木に登っていきました。
 ところが。サルはカニに実を渡すどころか、自分がむしゃむしゃと食べるばかり。
「ひとつぐらい、あるいはにひゃっこぐらい、僕にくれるのが道理ってもんだろう、バカサル!」
 とカニが顔を真っ赤にして叫びます。茹でた蟹と思わんばかりに。
「うるさい、これでも食ってろ!」
 そういってまだ青い柿をカニに投げつけました。
「ひゃあっ!」
 カニは慌てて逃げ去っていきます。
 サルはそれを見て一言。
「去るカニ合戦」

 一方、144kmで飛んできた青柿がヒットしたカニは、大怪我に苦しんでいました。大怪我に、つまり進化です。
 大怪我に。
 大けがに。
 大毛がに。
 大毛蟹。

「安いよー安いよー!」
 とある魚屋さん。
「ほら奥さん、こんな大きな毛蟹、見たことあるかい?」
 水槽には大きな毛蟹。
「うまいよー! ……あ、ご購入? いいね奥さん、目が高いねえ!」
 悲しげに泡を吹く毛蟹。
「こいつはねえ、茹でても焼いてもうまいよ。食うときはね、足もいで関節のとこをバキっと折って食ったり、この甲羅をぐぎっと割って、中身をグチャグチャかき回して酒をちょっぴりいれて食ったりとかしてもうまいね、ああ!」
 ……気のせいか、毛蟹がビクッとしました。



 それから数年後。
 1匹の小さな蟹が歩いていました。なんと、この子ガニこそ、茹でられたか、焼かれたか、あのバキっと折られ、ぐぎっと割られ、グチャグチャにかき回されてた大毛蟹の、腹違いの子どもなのでした。
 憎きあのサルを倒そうと憤怒の形相を浮かべて旅しているのでありました。
「わ~れ~は~う~みの~こ~、し~らな~み~の~♪」
 ……若干緊張感に欠けますが、一応、仇討ちの旅です。
「わ~れ~は~う~みの~こ~、知~らな~い~の~♪ きゃははは!」
 ……だいぶ羽目を外してますが、恐らく、仇討ちの旅です。
 そんな子ガニに後ろから声がかかりました。
「ご機嫌のようじゃな、若いの?」
「元気があっていいですね、御隠居」
「子どもは元気が一番ですよね」
 怪訝そうに振り返ると、サルバスターズとして名高いウス、ハチ、クリでした。子ガニは嬉しそうに飛びつきました。
「ウスさん! ろくでなしの強盗殺蟹事件の犯人ザルの退治を引き受けてください!」
「いいじゃろう。ただし、コレは貰うがな?」
 指で輪をつくるウス。



 それから数日後。
「ひー、寒い寒い! どっかのオヤジが飲み屋で叫んだギャグより寒いよー!」
 サル宅です。どんがらしゃんと戸を弾き飛ばしてサルが飛び込んできて、さっと囲炉裏(いろり)に手をかざしました。
 すると、密かに囲炉裏に潜んでいたクリが、パチンとはじけてサルに飛び掛りました。
「アチチチチ!」
 サルは慌ててやけどした手を水がめに突っ込みました。
 すると、今度は水がめの中の子ガニが、えいやとサルの指を挟みました。
「イタタタタ!」
 サルは腕を振り回して、カニを払い落とします。
 次にはどこからかハチが飛んできて、サルのお尻に針をぶすり。
「イテテテテ!」
 サルはたまらず家から飛び出しました。
 戸をくぐって外に出た途端、屋根に控えていたウスが、屋根から転げ落ち、サルに向かって一直線。
「ふぎゃぺっ!?」
 ……サルはその衝撃に耐えられず、息絶えてしまいました。

 悪サル退治をした英雄達はというと……

 囲炉裏のそばにくすぶっている栗がひとつ。
 壁際には払い落とされて潰れてしまった蟹がひとつ。
 その近くには針を無くして死んでいる蜂がひとつ。
 勢いが止まらず土手まで転がり、ぼこぼこになった臼がひとつ。
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