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 Essay > [交渉万歳]2006/07/14(金)
 物事を極めることは、何であれ、すばらしいことだ。 by.タク

 ということで、怠惰も極めればすばr……



 さて、気を取り直しまして。
 この僕はですね、なんとですね、周囲の期待に反して、無事、高等学校へ入学することができましたわけですが。
 まあそれは、誠に不本意ながら、更に勉強をしなくちゃならないという確定でもあります。その証拠に、高等学校というところには、年5回、3年間で15回の試験という七面倒な企画があることはとうに世に知れわたっています。
 僕の学校もまた例外でなく、1年生でまだ不慣れなことが多い僕らでさえも、その苦行は免除されません。

 タクは受験の1週間前からようやっと本腰をいれて勉強したことからわかるように、怠惰の塊が怠惰100%の服を着てるような代物ですが、それでも定期考査の3日前からはしっかり勉強することにしています。
 そもそも試験前の効率的な勉強法というのは……、いや、こんな月並みなとこは飛ばそう、誰がこんなキングオブ無駄話を聞こうとするものか。え? どれも全部無駄話だって? うぅん、お客さん鋭いねぇ、胸にぐさっと来たねえ。

 さて、月並みな一人芝居も置いといて。
 僕がいつも定期考査において一番力を入れている分野は何だと思われますか。化学? 英語? 国語? ノンノンノン、ナッシング。一番、力を入れ、用意をし、しつこく粘る、僕の得意分野は、答案の返却後にあります。
 勘のいい方はお気付きかもわかりません。ずばり、その得意分野とは、先生との得点交渉です。「ここはあってるんじゃないですか」「これでもいいんじゃないですか」という、アレです。

 中学校2学年のころから、この(悪)趣味に目覚め、それ以来、その回の試験、全教科トータルで1点もあがらなかったことは1度たりともありません。えへん(自慢できることじゃあない)。最高で二十云々点を上げたという記録も持っています。

 そういうわけで、高校でもこの行為を続けようと固く誓い、ワクワクしながらテスト返却を待ち望んでいたのです(動機が不純)。
 その努力(だから動機が不純だって)の甲斐もあってか、前回の中間考査では、国語・英語・古典の点数を上げ、トータルで11点か12点も上げていただきました(ほくほく顔)。

 国語科では広辞苑を引き、明鏡辞典を引き、先生に二箇所の語句の意味を書く解答を丸にさせ、いや、丸にしていただき(あくまで図々しさによるものではなく先生の行為によるものだと主張)、一箇所の文章題ではあることないこと並べ立てて、模範解答を訂正させ、いや、訂正していただき(あくまでずうz……)、平均点を大きくずらしてやりました(元々の正解者にとってははた迷惑)。
 英語科では、恐縮そうに普通の採点ミスをいくつか指摘して、自らの遠慮がちさをアピールしたあと、日本語訳の問題を交渉開始。誰が自分でさえどう贔屓目にみてもバツな問題を、日本語文法の話を前置きし、小説の話に発展させ、字幕映画の意訳の話を持ち出し、いくつか実例を上げ、しつこく食いさがると、なんとか三角にしていただくことができました。気分は上々。人知れずガッツポーズをとると、近くの男子から、またかよ、とそこそこに不機嫌な声が漏れてきましたが、そんなこたぁ知らん。時計を見れば交渉開始から冗談でなく優に10分は経過していて、採点ミスを指摘しようと並んでいたほかの人の視線が冷たかったのはちょっぴり申し訳なく思います。
 しかし、後日の授業で、交渉をしたその先生に「タク君の名前は覚えた」と名指しされたのにはいやはや参りました。

 そんなふうにしていると、「タクは、交渉力がすごい」「タクは弁護士になれる」と言われ、一時期は嬉しくなったのですが、次に聞いたときには「まるで納豆のようだ」だの「将来は詐欺師か」だのに変わっていました。

 ただ、これくらいのことでくじけるような僕ではありませんので、しつこく徹底追求を目論む僕は、自然と、期末考査では15点あげよう、などという目標を心に掲げ、答案が返されたならば頃合いを見計らって、勇猛果敢にも先生の退路に立ちふさがるのでございますが、そのたびに、またかよ、とため息をつくのはやめていただきたい、ご友人方。しかも二度目ということで、友人どころか、普段は心やさしく、笑みをうかべて指導をしてくださる先生方も「うわ、来た」と仰るのでありますが、それが随分と交渉する気を萎えさせるやめていただきたいと常々思っております。あ、もしかしてそれが狙いかっ!(ただ単に煙たがってるだけだ)

 しかしながら、先生陣にも強敵がいらっしゃいました。保健体育の先生です。さすが体育系、と唸りました。
 普段の相手ならば7点はあげられたであろう解答も、ただの2点しか上げてもらえませんでした。
 タク得意の、『譲歩して三角ちょうだい大作戦』も見事に切り捨てられ、挙句の果てには「教科書に沿ってるからそれ以外はダメ」と強硬な態度の一点張り。こんな手もあるのか、と思わずうめきます。こう相手のペースになってしまったら、あまたもの経験による勘で、諦めるしかないとわかります(そんな勘を養うな)。
 この保健体育のせいで随分と計画が狂い、15点はますます無理になりました。2点しか上げられず意気消沈として席に戻る僕をこのときばかりと笑顔で迎える友人。
 しょうがない、現代文で挽回だ、と張り切るのですが、逆に点数が高くて直すところが少ない。もうあんまりに惨めで、さらに沈む僕(点より交渉かよ)。
 古文もなんとか2点上げてもらうのですが、どうにもかんばしくありません。
 さらに哀れな状態で英語の返却を向かえるのですが、返却の前に先生は「日本語訳は随分と甘く採点しました」と宣言。裏を返せば、これ以上甘くはできないという、けん制としか取れないので、諦めるしかありませんでした。先生に後日そのことを話すと、けん制なんかじゃないよと無表情で仰ったのですが、前回のあの日本語訳の交渉があったわけだし、どうだかなあ、とさらにさらに鬱。
 化学の返却があり、我らが担任でもあり化学科の教師でもある先生が、開口一番、「聞いた話によるとこのクラスは交渉を粘るんだって? そんなことするんだったらちゃんと勉強しなさい」と仰る。周りからはなぜだか不本意に、本当に異常なまでに視線が集まり、「タクだけだよな」「だな」などという話も思いっきり聞こえる。もちろん、僕は、突然壁のシミに強い興味を抱いたことにして、漫画チックなまでに視線をそらします。
 クラスの大半の視線が一人に向き、その本人は視線をそらしていたら、そりゃあ、誰だって想像に難くはないでしょうな。先生はそれ以上言及することもなく答案を返却。
 あの発言がけん制にしか思えない僕は(それに化学は運と相当な知識が重ならないと交渉が難しい)、もちろん先生の前に向かうことはありませんでした。もし少しでも言ったならなんて返されるかわかりません。どだい、この担任は、自分のクラスの生徒の悪行を、他のクラスの授業で大声で話すような先生です。「校内一の詐欺師」なんてうわさが流れたら交渉がしにくく……いや、肩身がせまいじゃあありませんか。
 結局その他では家庭科のいかにも押しに弱そうな先生を、あることないこと並べ立てて「可能性アリ」と判断したものを中心に徹底的に口説くと、あっさり折れてくれました。しかしそれにせよ1点問題を2箇所だけだったので、やはり惨たんたる結果です。

 こうして、高1、華の16歳の一学期は、惨めな結果で幕を閉じたのでした。ちゃんちゃん。


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    (ウソです)
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 Essay > [トリカコマレタ ヨル]2006/07/08(土)
 期末試験も終わり、中学の仲間も、それぞれの生活に慣れてきたようです。
 一週間ほど前から、中学時代の部活の部長に、「そろそろOBの集まりを開催するように」と提案しておった私でございますが。

 昨日の夕刻。

8時7分、A君よりメール着信。『家の前の通りに来い』
8時8分、B君よりメール着信。『家の前に出なさい』
8時8分、C君より電話着信。「今、家向かってるから、下来いー!」
8時11分、A君より電話着信。「遅い! 早く来い!」

 ……えっと。

 のんべりと一人で優雅に食事とってアルコールをたしなんでいたわたくしに、4分でなにをしろと?
 挙句の果てには、家の下より、遅い、と大声で叫ぶなり、絶叫に近いボイスでカウントダウン開始ですよ。恥ずかしいし何より近所迷惑だからやめろ、などと言う権利は、1分遅刻した自分にはさらさらないようで(だから、4分でなにをしろと?)。
 気を取りなおして、何しに行くのかと問うと、鬼ごっこ、などという聞くだけでは相当に無邪気な答えが返ってきて、まさかまた補導されるまでエンドレス鬼ごっこではあるまいかと嫌な予感が脳裏をかすめ。ここまで書くと、一体何たる不良部員どもだ、と思えますが、うーん、きっと根はいいんです、ただ、ちょっと、あー、やんちゃなだけで? そもそもこいつらの一番の悪行といっても……(後略)

 閑話休題、公園につくとこやつらはホントに鬼ごっこなど始めました。ばかだ、この体育系ども、運動大好き人間め、と1人ぼやいて、ベンチにへたり込む哀れな少年若干一名。傍から見たら、「ああ、あの子いじめられてるのかしら、仲間外れじゃない」と不本意な同情を誘うことになるでしょう。ただし、実情としては校舎を3階登るだけで、はあはあ言う、元ラグビー部とは到底思えぬ一少年の体力のせいなのです。

 一人ちびちびと飲み物を飲むこと数十分、奴らとて人の子、しどしどに汗をかいて、戻ってきました。明るい街灯の下で見ると、なぜだかラグビージャージを身に付けた輩までいます。ややあって、公園を移動しようなんて話になり、なぜに公園をハシゴせにゃならんのかと、ぶつくさ言いつつも、自転車のキーをようやく見つけて顔を上げれば、着替えをしていた1人を除いてみな先に行っちまいやがったのに気付きます。はあ、と大きなため息をし、その1人と一緒に奴を追いかけました。

 大きな公園のまわりはなんとも閑静な住宅街。これでもかというほどに街灯が少なく、これは東京かと疑うほどあたりは暗い状態でした。
 当然のように奴ら、先駆者の姿はとうに見えず、その先頭集団の1人に部長がはいっているのも想像に難くありません。なんてリーダーだ、部員を労わるということを知らねぇのか、と心の中で唸っていると、後ろから足音が聞こえてくる。

 たったったったっ!

 足音が聞こえる。

「オイ、待てっ!」

 たったったったったっ!

「待てっつってんだろ!」

 ……。

 今宵の集まりにこんなハスキーな声の持ち主はいなかったはずでして。こんな聞くだにデンジャーなボイスは初めて聞きました。招かれざる客であることはどうにも間違いなさそうです。前にも聞こえたらしく、僕の前を走っていた仲間の自転車をこぐ速度も上がっていきます。
 ……というかD君早いよっ!? 競輪の選手かよっ!
 慌てて前屈みになり、スピードを上げようと試みるのですが、腰に響き、どうにもかばってしまいます。これは、バイト先で10キロはあるだろう業務用ミキサーを腰に落とされたからなのですが、こんなところでとばっちりを食うとは思いもしませんでした。
 仲間の姿をずいぶんと先に見て、これは仕方ない、話してケリをつけるきゃあない、と自転車の速度を落として後ろを振り返るわけですが、そこでようやっと気付きました。後ろの方随分と足がお早い。いや、そんなことじゃない、それよりももっと重大なこと。

 この人上半身裸だよ!?
 もうこの時点で平和的解決という手段を捨てました。平穏な人なら上半身裸で通りすがりの一少年を追いかけたりしない、……というか、たとえ平穏じゃないとしても、少しでもまともな方でございましたら、夜に都会で裸になることはございませんでしょう。

 慌てて前を見据え、速度を上げて吹っ切ろうと思ったのですが、甘かった。どうにも奴は1人じゃなかった。前におそらく4人程度、あの裸軍団が両手を広げて待ち構えていました。もうこれは罠としか思えません。心の中で罵りつつ、待ち受けている人に気付かなかったフリして通り抜けようとしたのですが、そこでまたもやサプライズ。

 裸、自転車に飛び込んできたよぅッ!?

 ありえない、とにもかくにもありえない。どう控えめに見ても時速40キロは出していた鉄製の自転車を裸で、いや、裸は関係ない、ともかく止められますか? 普通よけませんか? とはいっても、裸の時点ですでに普通じゃないこの方たちのことですから、強制終了になりかけた頭を必死に稼動させて応対を続けたいと思います。
 負けるなオレっ! ケンカだケンカ! 殴れ殴れ! こっちも裸になったほうがいいのか!(なんか違う)

 胸の奥で考えていたカッコいい思考とは裏腹に、きっと、いや明らかに向うが悪いはずの衝突事故に対し、あんまりにあんまりな激突だったもので、つい意識を通さず「ごめんなさい、大丈夫ですかっ!? 怪我は!?」と素で謝った僕。気が小さいぞ僕っ! しっかし、ホントにすごい止めだけどもラグビー部でございますか、と頭ん中でちらちら余計なこと考えるあたり、案外大物かもしれません僕。

 この季節、曲がり角でカワイイ女の子とぶつかり、めでたく結ばれる、というお決まりのプロットがありますが、そっちのほうが数倍よかったですよ。何が悲しくてこの蒸し暑い夜に曲がり角で裸の若い男に自転車で突っ込まなきゃならんのか。

 衝突と同時になにやら細い銀のものがどっかへ飛んでいったように見えたので、もしやシグ君(愛機SigumarionIII)のスタイラスではあるめえか、そうだったら困ったなあ、と気が気ではないわたくしは(この状況でこれはやはり豪胆なのかオレ)、地面をざっと探すのですが、その態度がどうやらあちらさんの機嫌を損ねたようで、裸の男A(というかどれも裸で区別がつかん)に肩をつかまれたので、探すのは断念、どうやら腰を据えてお話をしなければならないようです。

 こうして、裸たちと向き合うことになったのですが、トラは視線を合わせないでいると隙ができたと思って襲ってくるという話を思いだし、なるべく目を合わせて向うのお話を伺おうとおもったのですが、そのあとに、ゴリラは視線を合わせると興奮するという話も思いつき、はてどちらが正しいのか、こいつはゴリラなのかトラなのか云々。
 さすがにそこまで考える余裕はなかったのですが、前の人とは目をあわさず、左右をきょろきょろして、特に後ろの間合いをはかりました。おそらく7人、もしかしたら8人か9人、見事に全員上半身裸。これはユニフォームなのか訊ねたくなるほどの揃いっぷりでございました。

 道の真ん中に自分の自転車が倒れたまま、なにやら謎のうちに道路の端へ連れて来られました。ちょっとここ座って、とか言ってきたのですが、座るも何も、椅子も段差もないのにどこへ座れと? 体育座り? 体育の授業始めるの? と思ったのですが、もちろんそれを声にするほど僕は愚かじゃありません。ただ、無防備に座るのも不安だったので、立ち尽くします。
 すると、なにやら光がさしてきました。これは天国の光か、ううん、いい心持ちじゃあ、と思うはずもなく、その光が近付いてくる車のヘッドライトによるものだということがわかりました。その車は倒れた自転車を前に停止し、困ったように立ち尽くしました。
 それを見ていた男Bが、これどかしたほうがいいね、と言うなり、悠然と自転車を引いて持ってきてくれました。この人たち、裸の点を除いて、まともなのかまともじゃないのかわかりません。
 ここで、返せ、くそやろうっ! とでも怒鳴れば果敢で勇猛な男っぽい絵が取れるのかもわかりませんが、たとえ男っぽくないとしてもオレはバカじゃあありません。ただ、バカじゃないにしても、ちびっと弱いのかもしれません。こっちは絶対悪くないはずだのに「やー、ありがとうございます」だなんて腰低くして言っちまった。やー、オレ弱いっす、善処します。
 そんなことより、ここでの一番の不満は、その車が、邪魔となっていた自転車が消え去るなり、すうっと音もせずに走り去っていったことですよ。上半身裸の男どもに、服を着た少年が混ざっていたらそら目立つでしょうよ!(服を着ているのに目立つってナニよ) 
 裸の男たち多数が1人の少年を取り囲んでいて、自転車が一台だけ倒れている。この状況を見て、何か理解できなかったのかよドライバー! 「あー。裸祭りの集まりに少年が遅刻してきたんだー」とでも考えたのかドライバー!

 話を戻して(むしろどこへ戻せばいいのかわからなくなってきた)、裸の男どもに囲まれて、チラと思いつくのはアレですよ。あー……、あのう、少しでも考えた自分を恥じるのですが、ずばり、強姦でございますな。そうだ、あのドライバーも強姦の件をチラとでも考えて欲しかった。もしかしたら犯罪ほう助になっちゃうぞドライバー!(だいぶ大げさ)
 それはともかく、よくよく彼らを見てみると、怒鳴る者あり、人のバックを物色する者あり、僕をにらむ者あり、それこそ行動のパターンは豊富なのでございますが、どれにも共通して、こう、殺気立っているという特徴がありまして。言いかえれば血走っているとでもいえるので、こうなると、また、あー、カラダを欲しがっているのカナァー? などと考えるのも至極自然なことかなあとかなんとか。いや、だってさすがに混乱してたんですよ僕は。こんな風に囲まれたのは初めて……じゃあないんですけど、そんな経験は少ないですし、それに1人対8人というシチュエーションも正真正銘初めてでしたし、何より相手は裸です。多少変な被害妄想に陥ったとしても致し方がないことではございませんか。どだい、冷静に考えても、裸でカツアゲする不良グループや、裸で決闘をする輩なんていないでしょうよ。それに、裸という時点でもう常識を越えてるんです、そんな細かいこと知りませんよもう。

 やがて、アドレナリン放出が絶頂を過ぎ、少しずつ冷静になってくると、向こうも落ち着いてきたようで、ようやっと話が通じ始めました。
 ざっとその話を要約すると、どうも、この人たちに向かってどこぞの馬鹿野郎が故意に花火を打ったようです。それで、僕と愉快な仲間たち(逃げおおせたユダども)はそのグループの仲間だと勘違いされ、いつの間にやらその派閥争いに巻き込まれていたのだとか。……彼ら、言葉が足らないので一部は推測するほかないのですが、それがどうやら真実のようでございますなあ。
 くだらない、ホントにくだらんことで、ケンカなら『火事と喧嘩は江戸の華』ということで、勝手によそでやっておくれよう、何でオレを巻き込むかなあ、と不運を嘆くのですが、もし不平を言ってしまえば、この勢いで殴られないとも限らない、痛いのはヤダということで、従順きらり。やはりやはりどうにもこうにも立場が弱いので(だって相手多いし、無理ですって)、しかたなく「自分たちは6人組で、別の公園にいたのをこっちにきただけで、ここには今来たばかりで、バッグにライターも花火もなかろう、だからしてませんて、やってませんて」とくどくどくどくど筋道たてて説明すると、何とか相手方の態度も軟化してきました。
 じゃあ何で俺らに気付いたとき逃げたんだよ、と睨むひともいました。そりゃァ裸の男が走って来たら誰だって逃げるだろうよ! と思うのですが、言ったらもちろん悪印象。たくさんヨイショしてこの人たちをいい気にさせなくてはならない身分としては、んー、と唸ってごまかすしかありません。今の最優先事項は自らの保身なのです。

 ここで一押しだな、と帰してもらうチャンスを垣間見た僕は、ここぞとばかりに、協力姿勢を見せます。「奇襲で遠距離攻撃なら恐らくやり逃げかヒットアンドアウェイでしょう。どちらにせよいったん退却するはずです、長居するはずがない。逃げるとしたらひらけたこちらの大通りよりそっちの視界の悪い通りに逃げるんじゃあないですか」と、あることないこと軍事評論家ばりに並べ立て(でたらめ言うのは十八番でありますゆえ)、協力姿勢をアピールアピール。何とか相手を持ち上げていい気分にさせようとします。これって媚びてるっていうんじゃないかと軽い自己嫌悪に陥るのですが、今は何より自らの身がかわいいのです。プライドなんて知りません。

 そうこうしているうちに、ようやっと彼らは満足し(こっちはげっそりだよ)、しまいには「ごめんね」とまで言うようになりました。あっぱれなフレンドリーぶりですが、「ごめんなさい」ではなく「ごめんね」なあたり、こちらを下手(したて)にみているのは間違いないですね、はい。腹が立って、彼らに文句をぶつけるのですが、もちろんそれが声になるはずがなく、口から出たのは「いえいえお気になさらず」なんて言葉で、おまけの笑みまでお付けして、これまたフレンドリーに返してしまうのです。
 ここだけ読むと、通りがかりに肩がぶつかったので律儀に謝ってくれた人に、笑顔で応えている、微笑ましい、現代の美徳をありありと感ずる情景が浮かぶと思いますが、実情としては、彼らは依然、裸の状態で哀れな一少年を取り囲んでいるのであります。
 この状況じゃあ、相手の謝辞に対して笑顔が引きつっていたとしても、十二分に上々といえるはずです。

 やがて、やまぬ嵐がないように、永遠とこのままかと思った彼らとのステキな出会いも、彼らが立ち去ることで終わりを告げ、しばしその場に呆然と立ち尽くしていた私でありますが。ふとした弾みに、足が震え始めましてね。もうそりゃァ情けないほどに……、いや、だって裸なんだ裸(もう、やつらの裸が脳裏にちらついてダメだ)、この震えは不可抗力だ、だって上半身だけとはいえ、はだk……(以下略)

 数秒も経たぬうちに、震えも収まり、何はさておき仲間と合流すべきだ、と考え、自転車をこぎ始めると、にわかに電話着信。発信者名を見ると、
「部長……」
 イスカリオテのユダだ、今さらかけてきて何のつもりだ、ちくしょう。先に行きやがったくせに。しかもこの謀ったかのような絶妙なタイミングは一体なんだ、裸が去ってから電話をよこしやがって、さては奴らとグルか。
 相当に相当にむしゃくしゃしていた自分は電話に出るなり、「どこにいやがるんだこの野郎ッ!!」と本気で吼えてやりました。反対の道を通っていた人が驚いたようにこちらを振り返るのですが、ずっと何人もの裸に睨まれていた自分が、今さらたった一人の視線など痛くも痒くもないのは当然というものです。

 その後、かくかくしかじか、些細なことを話してから、なんと、もと来たところを戻れ、合流しよう、と言われました。もちろん、裸らがたむろしていたら今度こそ気まずさゆえに死んでしまいそうなので、必死に異議を唱えようとしたら、奴はさっさと電話を切りやがった。しょうがないので、相当に遠回りして、裸を避けて合流地点へ向かっていたら、突如「ごめんね」と声がかかりまして。思い当たるのはひとつしかない、げっ、裸っ! と思って焦点を合わせると、全開のワイシャツをひらひらさせてはいるものの、一応は衣服を身につけている、元裸がいました。この人は服というものを一応知っているのか、ただしあまりに『ハラなんとか』のつくセクシャルぶりでございますな、と思う間もなく、気圧でも水圧でも風圧でもない圧力が、僕の口から「いえいえお気になさらず」という文句を出させます。従順きらり。

 やっとの思いで仲間と合流すると当然のように武勇伝を話すはめになり、丁寧に細かく話そうと思うのですが、「したかが、したた、あぅ、しかたがなかったからさ、」なんて言いつつ、だめだ呂律が回らん、と自分でも驚くほど狼狽していたようでございます。
 しかしながら、この経験に対し、「タクのせいでテンションが下がったからなあ」などと言われても、困ります、というかむしろ、ブチきれるぞ、ドタマかち割るぞ、と思います。大体一番テンションが下がったのはオレじゃ、まごうことなき、公明正大に被害者はオレじゃ、あんたらのことなんか知らん、とポンポン思うことが出てきます。そして、危うくその勢いに乗って、こっちはもう少しでヤられるところだったんだちくしょう、と叫ぶとこでしたが、何とか自制心が抑えてくれました。ううーん、助かった、助かりました。もし話したらなんと思われるかわかりません。それにこいつらのことだ、話はチェーンメール化して次の日には何百人もが知ることとなり、挙句の果てには『未遂』が『既遂』になり、世間に白い目もしくはありがたくない同情の目で見られるに違いないのだ(だいぶ被害妄想)。

 それだけで心底疲れ果てていたのに、このバカどもは鬼ごっこをやるといって聞かない。もうやだ、なんだこりゃ、厄日か。
 確かにいい経験にはなり、おかげで雑記のひとつが書け、役に立ったとはいえなくもないですけども、あー、もう勘弁です。もう2度と絡まれたくないとゼイタクなことは言いません。けどもけども、せめて、1人だけってのと、裸っていうシチュエーションは勘弁してください。

 そんな無駄にスリルとバカと疲労に満ちた夜でした。
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 Essay > [白熱電球恐るべし]2006/07/07(金)
 先日、マイベッドに寝転びながら、高価で手の出せないPDAの代わりとして、携帯のスケジュール機能をうとうとしながらいじくりまわしていました。
 そしてふと気付いたのです。辺りに漂う、甘いような、香ばしいような、なんだかどこか懐かしい、昆布の入ったおにぎりのような香りに。
 そうだ、きっと父親が夜食におにぎりを作っているに違いない、夜遅くまでお仕事ご苦労様、と心の中で呟き、再び画面に視線を落として再び作業に――。

 ……ん? さっき、寝室に向かっていった足音は父親のそれだったはず。父さんではないようだ。はれ、ではまだPC作業中の兄貴であろうか。いや、あの人がおにぎりなんて面倒くさい料理を自ら作るハズはない。はて、誰だろう……。
 そのように悩んで、ようやく気付くのです。芳香の漂ってくる方向がキッチンからではないことに。くんくん、と匂いのもとを探ります。あっちじゃない、……こっち? うーん、そっちか……。時計は1時まわっているというのに、少年がベッドで鼻をくんくん。傍から見たら絶対怪しい。何かの呪いの儀式かこれは。ところで、どうやら、匂いの元は、むしろキッチンとはまるきし逆のほうからくるようです。つまりこのベッドルームで匂いが漂っているのです。
 何なんだろう。この匂い。甘くて、芳醇で、どこか香ばしい……

 ……香ばしい?

 ……香ばしい?

 うとうと、がふっ飛びました。目を皿のようにして右見て左見てもう一度右。……もう一度左――って、あー!?

 ライトスタンドっ!

 立てかけてあったプラスチック製の笠が一箇所、変に歪んでいる!
 慌てて取りました。

 ぐにゃぁ~

 恐怖感さえ覚えるありえない柔らかさ。思わず触ってみると、尋常なく熱い。
 電源をきり、何とか事態の収拾をはかります。
 恐怖心が去り、続いて安心感がやってくると、同時に好奇心が湧いてきました。実況見分です。気分は火災の出火原因を調べる調査官です。


<< 以下、小説風味 >>


 甘く香ばしい、あの『匂い』が、実は『臭い』だったとは。とんでもない誤解をしていたことにようやく気付いた。早く原因を突き止めなくては。私は先ほど取り落とした笠を拾い上げた。やはり丸くぽっかりと穴が開いてしまっている。
 その溶けたプラスチックを見ているうちに、若い研修時代のことが脳裏に浮かんだ。科学の授業で実験をしていたときだ。同期のやんちゃな奴がガスバーナーに誤ってコードを近づけてしまったのだ。あの甘いような臭いは今でも鮮明に思い出される。
 そうか! あの甘さをかもしだしたのは、このプラスチックが溶けるときに発した臭いだ! あの時の臭いの甘さも同じだった! 臭いの原因はこれだろう。
 だが腑に落ちないことがまだひとつある。『あの香ばしさは一体なんなんだ?』
 そこで調査が行き詰まった。困惑して辺りを見回す私。そこでふと、一枚のタオルに気がついた。ライトスタンドの下に落ちている。弾みで落としたのだろうか。さっきは焦っていてまったく気付かなかったそれをまじまじと眺めているうちに、その一部分に目が釘付けになった。
「こ、これは……」
 片面は茶色く焦げ、片面はあの溶けたプラスチックとみられる物体が付着している。片面は焦げ、片面は笠に触れていた……。
 そうだ、これはこの電球とプラスチック製の笠の間に挟まっていたんだ。これが焦げたとき、あの香ばしい臭いをもよおしたに違いない。
 ん? 待てよ、焦げた? プラスチックが溶けるということは相当の高温が発生したはずだ、そしてタオルは焦げているだけ……
 全身の神経に電撃が走ったかのようだった。
 タオルが焦げる程度で済んだのはプラスチックがある程度の熱を吸収したからではないか、そしてプラスチックが溶ける程度で済んだのは電球に直接触れずに、タオルが緩和材としてあいだに入っていたからではないか。

 もし、タオルだけが電球に触れていた場合、熱を吸収するものはなく、発火していたかもしれない。

 もし、プラスチック製笠だけが電球に触れていた場合、熱を緩和するものはなく、不完全燃焼を起こし、有毒ガスを発生させていたかもしれない。

 私は、布団に入っているというのにぶるりと寒気を感じた。



*******************


 ……っとまあ、こんな危機一髪なことを3ヶ月してきました。
 3ヶ月ですって。月日がたつのは早いものですねえ。こんなに大きくなっちゃって、まあー。

 ……。

 ……。

 ……視線が痛いっすね、はい。


 や、いろいろあったんですよ、そのう、あー、キャッシュカード無くしたりとかパソコンの顔文字のデータが吹き飛んだりとか何とか……あー……。





 ご、ごめんなさいっ!
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