<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?><rdf:RDF xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#" xmlns="http://purl.org/rss/1.0/" 
			xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/" xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/" 
			xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/" xml:lang="ja">
<channel rdf:about="http://onm.blog42.fc2.com/?xml">
<title>オリジナルのベルやかた　～Original Novel Mansion～</title>
<link>http://onm.blog42.fc2.com/</link>
<description>ショート・ショートやエッセイもどきなど、オリジナルの文章を置いているページ。</description>
<dc:language>ja</dc:language>
<items>
<rdf:Seq>
<rdf:li rdf:resource="http://onm.blog42.fc2.com/blog-entry-39.html" />
</rdf:Seq>
</items>
</channel>
<item rdf:about="http://onm.blog42.fc2.com/blog-entry-39.html">
<link>http://onm.blog42.fc2.com/blog-entry-39.html</link>
<title>SS &gt; [動かない時計]</title>
<description> 　今から少々未来、といって、人が生まれて死ぬには十分すぎるほど先の未来、どこかそのへんに街がある。未来といっても、ここは地方。文明の進歩などSFチックな雰囲気はかけらも味わえぬクラシックな街。一応、小さな家々や商店で敷き詰められ、それ相応にはにぎやかしである。街の中央には、なんとかスペースを確保して作ったような小さな広場があり、なにとはなしに外に出たらしい壮年の男がぶらぶらしていたり、今日も今日とて
 </description>
<content:encoded>
<![CDATA[ 　今から少々未来、といって、人が生まれて死ぬには十分すぎるほど先の未来、どこかそのへんに街がある。未来といっても、ここは地方。文明の進歩などSFチックな雰囲気はかけらも味わえぬクラシックな街。一応、小さな家々や商店で敷き詰められ、それ相応にはにぎやかしである。街の中央には、なんとかスペースを確保して作ったような小さな広場があり、なにとはなしに外に出たらしい壮年の男がぶらぶらしていたり、今日も今日とてわけもなくベンチに座るご老人がいたりする。他にも一人か二人か、あるいはもう少しかが、立ち止まっていたり、歩いていたりと、特に用もなく、のんびりと、昼と夜のあいだの、といって夕方というのも何か違う時間帯を過ごしていた。<br />　ぼけーと立ち止まったままの男もその一人だった。暇人というほど暇なわけでもなく、所用の帰りで、あとは家に戻って食事を作るだけ、否、作らなくてはならないはずなのだが、先ほどからぼんやりと広場の中央を眺めていた。<br />　高さも、幅もない、時計台である。時計台というにはあまりにおこがましいような、時計台である。広さは1メートルもなく、高さはまさにセンチ単位の時計台。広場の時計台といったらどことなくクラシックで大きく、風格のあるイメージばかりだが、これはなんといえばいいのやら、コメントに困るような時計台である。ただ、一応、『台』があって、そのうえに『時計』があるんだから、イメージだのお約束だの置いといて、形式的に『時計台』と表現する。モルタルでかたどられた台座に備えられた時計。男はしばらくの間、それを眺めつづけていたのだった。一分、ニ分……。ややあって、後ろから声がかかった。<br />「ああ、もしかしてあなたもこの時計のことをご存じないのですか」<br />　男が振り向くと、先ほどベンチに座っていた老人が、杖を支えに目の前に立っていた。<br />「時計……？」<br />「ふうむ、やはりそうか、最近の人は知らないのか……」<br />　老人はぽつりと呟いて、背を丸めた。<br />「時計……、初めて見る物ですが、昔の時計か何か……？」<br />　てっきり前衛的なアートかと、と一人呟く男に、老人は言った。<br />「時計、まごうことなき時計ですとも」<br />「……にしては、動く気配がありませんけど」<br />「いいや、確実に動いております」<br />「なるほど」<br />　男は、この老人はボケているのかもしれない、と同情を覚えたのか、声が少し柔らかくなった。<br />「信じておりませんな？　そうですね、」<br />　老人は時計をちらと見ると、おおよその時間を言った。<br />　男は携帯を取り出して時間を確認すると、しばし黙り込んだ。<br />「……なるほど」<br />　そう唸って、再び黙り込んだ。<br />“偶然、ということも考えられるが――”<br />　男に背を向け、時計を見つめている老人にも、男の考えていることは手にとるようにわかった。だからこそ短く言った。<br />「昔の人は面白いことを考えるものです。昔もばかにするものじゃあ、ない」<br />　ふふ、と笑って。<br />　その言葉と笑みがどうも、年寄りをばかにするな、と言っているようで、男は耳がいたかった。<br />「これは、……この時計は、なんというのですか」<br />　だんまりをやめ、男は素直に聞いてみた。年長者も時には強いもんだと思って。<br />「これは、ヒドケイというのです」<br />　老人はほがらかに微笑んで男を見た。 ]]>
</content:encoded>
<dc:subject>Short-Short</dc:subject>
<dc:date>2006-08-04T21:53:03+09:00</dc:date>
<dc:creator>タク</dc:creator>
<dc:publisher>FC2-BLOG</dc:publisher>
</item>
</rdf:RDF>